Vicor社のFPA™技術により、Phasor社のモバイル衛星通信の性能が向上
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Vicor社のFPA™技術により、Phasor社のモバイル衛星通信の性能が向上
2020年01月30日
(本プレスリリースは、2019年11月25日に米国にて発行されたものです。)
Vicor社(本社:米国マサチューセッツ州、CEO:Patrizio Vinciarelli、以下:Vicor)は、Phasor社(本社:米国バージニア州、CEO: David Helfgott、以下:Phasor)が、Vicorの独自技術であるFactorized Power Architecture™(FPA)を用いて、モバイル衛星ブロードバンド接続の信頼性を大幅に改善し、より高性能なモバイル通信を実現したと発表しました。
Phasorは、衛星ベースのモバイルブロードバンド用エンタープライズグレードの電子スキャン方式アンテナ(ESA)システムのリーディングデベロッパーであり、これまで移動中は不可能だった接続速度と帯域幅を提供する新しいシステムのための電源ソリューションをVicorと共同で開発しました。
このテクノロジーは、航空、海事、陸上移動、防衛などのアプリケーションで信頼性の高い衛星通信を実現する上で大きなブレークスルーとなり、ユーザーが様々な交通手段で移動しながら、中断することなくマルチ接続のビデオ会議を開催したり、ドロップアウトのないビデオと音楽のストリーミングができるようになります。
Phasorの薄型でフラットまたはコンフォーマルなソリッドステート電子制御アンテナシステムは、列車などの車両の屋根に組み込むことができ、厚さ25mm未満で、幅2.4m以上のディッシュアンテナの性能を実現できます。VicorのFPA技術により、非常に低い電圧で大電流が給電できたため、Phasorのモバイル通信システムは、薄型ながら高い電力密度を実現しています。
Phasorのオペレーション担当バイスプレジデント、Mike Warren氏は、次のように述べています。「VIcorは、Phasorの製品の差別化のための技術革新をサポートする重要なパートナーです。FPA技術は当社のESAに不可欠な役割を果たしており、製品の商業展開にあたり、引き続きVicorと協業することを楽しみにしています。」
VIcorのFPAパッケージは、電圧調整のためのモジュール(PRM™)と電圧変換・絶縁のためのモジュール (VTM™)で構成されており、2つを組合わせることで、絶縁型DC-DCコンバータの機能を提供します。電圧変換モジュール (VTM)は共振コンバータであるため、ハードスイッチのコンバータと比較した場合、ノイズが非常に小さくなります。
Phasorのアンテナには、48V電源を1.5Vに変換して、65Aまたは80Aの大電流給電するVicorの技術が必要でした。(次世代のアンテナはさらに電流が増え、電圧は1Vへ下がる。)この技術は、低電圧・大電流をASICに給電する際の最大の課題です。
65Aの大電流のために従来は必要だったハードスイッチングのマルチフェーズコンバータに対して、Vicorのアプローチを使えば、はるかに優れた電力供給能力と高い効率を実現できます。
Vicor Corporationについて
Vicorは、高性能モジュール型電源コンポーネントの設計、製造、販売を行う米国(本社:マサチューセッツ州アンドーバー)の電源専業メーカーです。HPC (ハイパフォーマンスコンピューティング)、オートモーティブ、通信ネットワーク、産業機器、鉄道、航空防衛アプリケーションなどへ向けて、広く事業を展開しています。
日本法人のVicor株式会社(Vicor KK)は、2017年に設立され、電源コンポーネントの販売・技術サポートを行っています。詳しくは、https://www.vicorpower.com/ja-jpをご参照ください。
・Vicor、Factorized Power Architecture、PRM、VTMは、Vicor Corporationの登録商標です。
・その他のすべての商標、製品名、ロゴ、ブランドは、該当する所有者の財産です。