Vicor、高性能のAI向けアクセラレータカードを実現する1200A ChiPセットを発表
Vicor、高性能のAI向けアクセラレータカードを実現する1200A ChiPセットを発表
※ 本リリースは、2020年5月14日午前9時(米国東部時間)に発表されました。
Vicor Corporation (本社:米国マサチューセッツ州、CEO:Patrizio Vinciarelli、NASDAQ: VICR、以下:Vicor) は、高性能GPU、CPU、ASIC(XPU)プロセッサ向けの、48V電源バスから直接電圧変換できるChiPパッケージの電源コンポーネントセットを発表しました。カレントマルチプライヤ「MCM4609」(変換比率固定DC-DCコンバータ)とドライバー「MCD4609」(DC-DCレギュレータ)をセットで用いることで、最大650A(連続)、1200A(ピーク)を供給します。
カレントマルチプライヤ「MCM4609」は、小型・薄型(45.7mm x 8.6mm x 3.2 mm)でプロセッサの近傍に配置することができるため、電力供給ネットワーク(PDN)の損失が減り、電源システムの効率を高くすることができます。MCM/MCD 4609のChiPセットは、GPU、OCPアクセラレータモジュール(OAM)、人工知能(AI)カードの給電に適しており、新たに評価する場合には、VicorのHydra II評価ボードもご利用いただけます。
MCM/MCD 4609のChiPセットによって、VicorのPower-on-Package技術に、LPDソリューション(水平方向から給電する方法)が加わりました。さらなる大電流化に対応するために、LPDソリューションより高い電力密度を達成するVicorの革新的なVPDソリューション(垂直方向から給電する方法)も間もなくリリースされます。
VPDシステムでは、プロセッサの裏面にDC-DCコンバータを取り付けて垂直方向に電力供給します。プロセッサとDC-DCコンバータの間には、コンデンサのネットワークをプロセッサのピン配置に対応するように集積して挟み込みます。このコンデンサネットワーク(Gearbox)をカレントマルチプライヤMCMに積層したものをGCM(ギアードカレントマルチプライヤ)といい、VPDソリューションでは、GCMをプロセッサの裏面に実装することにより、プロセッサの直下から給電できるため、PDN損失を非常に小さくすることができます。GCMの電力密度は、2A/mm²に達します。
Vicor Hydra II 評価ボード
Vicor独自のPower-on-Package技術、LPDソリューション(水平方向から給電する方式)、VPDソリューション(垂直方向から給電する方式)によって、AI向けアクセラレータカード、高密度AIクラスター、高速ネットワークなどのアプリケーションのための高性能プロセッサに対して、高電力密度・高効率の給電が実現します。
電源設計に対するVicorのアプローチ
電源システムを設計するにあたり、Vicorのアプローチによれば、モジュール化した電源コンポーネントの利点(機能と信頼性の向上、開発サイクルの短縮、システム構成が容易な点、再構成が容易な点、高いスケーラビリティなど)が得られると同時に、最高レベルのシステム運用効率、電力密度、経済性が実現できます。
Vicorのオンライン電源設計ツール「パワーシステムデザイナー」を使えば、Vicorの多くの電源コンポーネントのラインナップから最適なモジュールソリューションを選択でき、電力源から負荷点までの電源システムの最適化とシミュレーションも実行できます。これにより、製品の市場投入までの時間が短縮でき、最先端のパフォーマンスが実現できると同時に、従来のカスタム電源設計で発生していた想定外のトラブルやプロジェクトの遅延のリスクは最小限に抑えられます。
Vicor Corporationについて
Vicorは、高性能なモジュール型電源コンポーネントの設計、製造、販売を行う米国(本社:マサチューセッツ州アンドーバー)の電源専業メーカーです。HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、オートモーティブ、通信ネットワーク、産業機器、ロボティクス、鉄道、航空防衛アプリケーションなどへ向けて、広く事業を展開しています。
日本法人のVicor株式会社(Vicor KK)は、2017年に設立され、電源コンポーネントの販売・技術サポートを行っています。詳しくは、www.vicorpower/ja-jp をご参照ください。
・Vicor、Power-on-Package、FPA、ChiP、MCM、GCM、MCDは、Vicor Corporationの登録商標です。