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VideoRay drives safe, effective underwater exploration leveraging AI and today’s newest technologies
Vicor Powering Innovation podcast discusses the proliferation of ROV applications and how VideoRay is responding to new underwater missions
ロボットの移動距離を広げ、生産性を高めて柔軟な運用を可能にするには、電力供給ネットワーク(PDN)の設計の最適化が役に立ちます。しかしながら、電源システム、アーキテクチャが混雑になるため、慎重に検討する必要があります。組み込まれるバッテリー電圧はさまざまであり、負荷の種類も多岐にわたります。これらは、高性能AIコンピュータシステムやモータドライブ、センサー、通信システム、ロジックボードやプロセッサ等という、典型的なシステム構成要素かもしれません。システムが隙間なく密集した状態で大電力のスイッチングレギュレータを使うと、EMI の問題が必ず発生するため考慮 が必要です。これは ロボットの電源システム 特有の課題であり、新しいアプローチによる解決が求められます。
Vicorの高電力密度・高性能の電源モジュールを用いて、電力供給ネットワーク (PDN)を設計することで、これらの課題が解決できます。技術の基本原理を考え、スーパーコンピュータ・アプリケーションの経験を活かすことで、最新ロボットの電源システムの性能向上と設計のフレキシビリティを高める方法を提案します。それには、Vicor の電圧変換比固定コンバータ と 高効率、広入力範囲のゼロ電圧スイッチング (ZVS) 降圧・昇降圧レギュレータ を用います。
2つのアプローチ:
電圧変換比固定のDC-DCコンバータ を用います。このコンバータにより、電力源の電圧を効率よく昇降圧することができ、PDN内の高い過渡応答性能の実現や、高電圧の電力源への対応ができます。
これらの2つのアプローチを使うと様々な 電力供給ネットワークのアーキテクチャ を構成することができます。目的のモバイルロボットシステムに合わせてアプローチを選びます。
最先端ロボットには、ライダーやGPU、サーボドライブに加え、LED投光器のような定電流負荷などが搭載されますが、新たに負荷を追加するときにはその負荷電圧に対応する、実績のあるDC-DCコンバータを使いたくなります。この方法は一見便利ですが、システムの複雑さが増すため、電力要件とアーキテクチャを包括的に検討する必要がでてきます。最新のパワーコンバータ技術を用いた電源システムは、サイズ、重量、性能、コストの面で大きな利点があります。負荷の変動範囲が広くバッテリー電圧の変動が小さく、絶縁が不要で、最大電力の継続時間が短くアイドル時間が長いシステムに限れば、とても大きな利点があります。
最新の高効率・非絶縁型の降圧コンバータや昇降圧コンバータを用いることで、入力電圧が24V以上の場合でも、システム全体の性能を向上させることができます。
電圧変換比固定コンバータは、出力インピーダンスが低く過渡応答速度がはやいため、電圧安定化機能をもつDC-DCコンバータで問題になる応答遅延がありません。このコンバータを負荷側に配置することで、低電圧の配線を引き回すことで生じる電圧降下を避けられるため、モーターなどの負荷の電流を素早く立ち上げることが可能になります。
ここで紹介する新しいアーキテクチャのソリューションは、これらの2つのうち、どちらのアプローチでも実現可能です。
例えば図1の2つのロボットのプラットフォームには、バッテリーとさまざまな大電力負荷が積まれています。簡単にするために、1つめのロボットプラットフォームに搭載するバッテリーは、57Vフローティングの、15セルのリン酸鉄リチウム(LiFePO4) 電池と仮定します。マニピュレータやその他のサーボドライブを備えたオフロード対応のラストマイル配送ロボットなどと同様のバッテリーです(57V系は、24V系または48V系システムに比べてエネルギー密度が高い)。それよりはるかに大きなプラットフォームに、同等あるいはそれ以上の「頭脳と腕力」が求められる場合はどのような対処法があるでしょうか。例えば自動運転トラックや収穫ロボットに、770Vフローティングの200セルのバッテリーを搭載する場合、またはそのような収穫ロボットをゼロから設計する場合です。
図1:2つのロボットのプラットフォームのサイズは大きく異なりますが、電力供給ネットワークには多くの共通点があります。モジュールによって構成する手法を用いると、フレキシブルな設計が可能で、電源システムを速く設計することができます。
負荷要件は下記の通りとします。
負荷要件から逆算することで、必要な電圧を作るためのパワーツリーを構築できます(図2)。この方法により、安定化のステージ、絶縁のステージ、電圧変換のステージの各々の最適な数を決めることができるため、不必要にアーキテクチャが複雑になったり、ノイズが増えたり、安定性の問題や好ましくない電圧降下による損失が増大することを避けることができます。これにより、スケーラブルで広い用途に対応した無駄のない高効率の電源ソリューションが実現します。
図2:110VDCのバッテリーや大型車の770Vバッテリーを48Vに降圧して供給する、低電圧の電力供給ネットワーク
入力のバッテリー電圧が24Vや57Vなど安全超低電圧(SELV) である場合(図2)は、すべての負荷のマイナス端子を、バッテリーのマイナス極に接続できるため、絶縁型DC-DCコンバータは不要です。最新の高電圧降圧コンバータを用いれば、96~97%の高効率が達成でき、スタンバイ時の消費電力が低いためバッテリー寿命が延びます。降圧コンバータの入・出力電圧比がある一定の比率となるデューティサイクルで動作すると、コモンモードのEMIノイズはほとんど発生しません。この例では、バッテリー電圧最大57Vから12Vへ降圧する、優れた降圧コンバータが必要です。
MOSFET を使ったハードスイッチングの降圧コンバータは、ほとんどが、低い入力電圧で「効率97%」と規定していたとしても、入力電圧24V以上ではスイッチング損失のため発熱が大きくなります。そして、例えば24V系プラットフォームを48V系や57V系に変更したときのスイッチング損失は、入力電圧が増えるに従い大幅に増えて、発熱量も増大します。スイッチング周波数を下げれば、損失が低減でき、最小オン幅の問題もなくなりますが、それにより出力インダクタとコンデンサのサイズは大きくなります。
この点に関して、48Vバックプレーンを先行して導入した高性能コンピュータや自動車のアプリケーションが、同様に進化してきたロボットシステムの良い手本となります。進化の結果、降圧コンバータの変換効率は向上しました。48Vを超える電圧から12Vに降圧するときの変換効率は低下することなく96%~97%を維持でき、出力電圧が2.5Vと低い場合でも同様の効率を実現しました。
図3は、入力電圧40~60Vで出力600W・12Vのコンバータについて、80%負荷の状態の効率、損失、およびサイズを比較したものです。:
図3 : 600Wの電力を48Vから12Vへ降圧する方法(必要な外部部品も含む)。 (A)入力36〜75V、320W、絶縁型レギュレータモジュール × 2個 (B)広い入力範囲43~154V、240W、絶縁型レギュレータモジュール×3個 (C)入力30〜60V、216W/18A 降圧コンバータ × 4個 (D)入力40〜60V, 750W, 電圧変換比固定コンバータ × 1個 (E)入力40〜60V, 750W 昇降圧コンバータ+電圧変換比固定コンバータ×1個. 図中の電力損失は量産品による測定値。
一般的な降圧コンバータは、大きい入力電圧の変動に対応するためには、スイッチング周波数を下げたりサイズや性能を犠牲にしたりする必要があります。この場合は、2つのモジュールで DC-DCコンバータを構成する方法 (Factorized Power・図4) が適しています。入力電圧36 ~ 75V の昇降圧レギュレータは96~98%と高効率であり、効率97.8%の4:1カレントマルチプライヤ(後述の電圧変換比固定コンバータ)に正確な48Vを給電します。この方法を使うと、省スペースと高いダイナミック性能、高信頼性、高効率が実現します。電圧の安定性を改善するために、レギュレータのフィd-バックをカレントマルチプライヤの出力から取ることができます。後述するように、モータードライバーが接続される場合は電力源の電圧ピーク値が60Vを超えることがあるため、定格電圧75Vを選択しました。
図4 : 720W(ピーク時1kW)の電力を、48Vから12Vに変換する降圧コンバータには、2つの電力変換ステージがあります。
サイン・アンプリチュード・コンバータ (SAC™) (図3D) 方式である電圧変換比固定コンバータは、降圧型DC-DCや絶縁型DC-DCと比べて、変換効率が最も高いコンバータです。その名称の通り、入力電圧 (VIN) を出力電圧 (VOUT) に一定の比率 K = VOUT/VIN で変換し、電圧を調整せずに出力します。入力電圧が変動すると出力電圧にはそのK倍の変動が現れ、制御ループがないため制御に起因する遅延がありません。
SACコンバータの内部は主に3つのステージからなります。
電圧変換比固定コンバータはゼロ電流・ゼロ電圧スイッチング (ZCS/ZVS) により、スイッチング損失を最小限に抑えることができるため、ハードスイッチングコンバータに比べて大幅に高い(数 MHzレベル)スイッチング周波数を実現し、98%の高効率を達成しています。後段に配置するリアクタンス素子やEMIフィルタのサイズを小さくできるため、全体の専有面積を小さくでき、電力密度は大幅に向上します。
電圧変換比固定コンバータは、送電網の交流変圧器と似ています。変圧器は世界中の配電で、実際に役立っており、電圧変換比固定コンバータも同様の働きをします。送電する電圧を、電力源や負荷の電圧よりはるかに高い電圧にすることで、電流を大幅に減らし、送電線の軽量化や低コスト化を実現します。低電圧ケーブルの設置は負荷点の近くのみですみます。電圧変換比固定コンバータを使うと、バッテリー電圧を高効率で昇圧して高電圧の負荷に給電することができます。コンバータは双方向電圧変換・電力回生動作が可能なので、実質的に高電圧の仮想バッテリーや送電線を作り出していることになります。制動エネルギーを回生し、高電圧のバッテリーやバスに送ることも可能です。電圧変換比固定コンバータは容易に並列接続することができます。各コンバータの電流分担は、並列接続した各々のコンバータと配線のインピーダンスで生じる、電圧降下により決まります。
多くのDC-DCコンバータ同様に、絶縁型電圧変換比固定コンバータは出力を直列接続し(図5)、複数の絶縁した出力をバッテリーから取り出すことができます。これにより補助バッテリーが不要となり、コンバータの数やシステム重量を削減でき、無駄のないロボットの構造が実現します。例えば、400Vのシステムで、低インピーダンスの12V と 24V の電源バスが必要な場合を想定してみましょう。出力を直列に繋いだ2つの1:1/32 の絶縁型コンバータは、直列接続した出力と、その中点で分岐することで、両方の電圧バスを作ることができます。可能性は無限大です。
図5: 入力を並列接続し、出力を直列接続した絶縁型電圧変換比固定コンバータは出力電圧を合算することができます。
電圧変換比固定コンバータは、送電網の交流トランスのように、一時側から二次側へインピーダンスを変換します。変圧器を通してみたインピーダンスは、電圧変換比の2乗の割合で減少するため、ロボットのアプリケーションにとっては好都合です。
図6: 電力源側のインピーダンスはK2の割合で低減して見えるため、必要なコンデンサ容量も減ります。
インピーダンス変換の効果を利用すれば、最初の列の2台のロボットのような低電圧システムでも、大容量バイパス・コンデンサなどのエネルギー蓄積素子やEMIフィルタ、その他の回路要素を最大限に活用することができます。例えば770W電源の自動運転システムでは、高電圧をロボットの大きなフレームを通して配電した後に、低電圧に変換してサーボドライブやAIプロセッサなど変動の大きな負荷に給電します。負荷から電源を振り返ってみると、すべての配線とバッテリーの合計インピーダンスは、実際よりも大幅に小さく見えます。
770Vのバッテリー電圧から、変換比 K = 1/16 の電圧変換比固定コンバータ (BCM4414) を用いて48Vに変換すると、図6に示すように電力源のインピーダンスは 1/256 になり、入力コンデンサも同様に1/256 になります。そうすると、かなり小型の入力コンデンサを使うことができます。一方、出力側にコンデンサを設置して、ESR、 定格電圧、寿命、性能を同等にする場合、コンデンサのサイズはコンバータ本体にも匹敵する大きさになります。電圧安定化機能のあるDC-DCコンバータを使う場合には、コンバータの安定化ループの周波数帯域は、電圧変換比固定コンバータの応答速度と比較してはるかに低くなっています。この制御ループに起因する遅延に加え、コンバータで生じる不連続モードに伴う遅延も重なることにより、実質のコンバータのインピーダンスは増大します。したがって、インピーダンスを低減する効果は限定的です。
大電力で変動が激しい負荷に対しては、抵抗性・誘導性インピーダンスが低減できるので、静特性だけでなく過渡特性も向上します。モーター駆動は通常、瞬間的に電流が大きく変化する高周波パルスなので、電力源インピーダンスが大きいと、端子電圧と電流が歪んでしまいます。同様に、PDNが大きい場合には寄生インダクタンスによって、モーターの巻線に流れる電流が制限されるため、トルクが落ちてしまいます。
以上の理由から、電力需要の増加に対応するためには配電ルートやハーネスに単純な原理を適用し、上述のコンバータを用いて負荷の近くで必要な電圧に変換する高電圧配電が最適であると考えます。高電圧配電は電流を減らせるため、配電損失や(動的な)電圧降下、EMI干渉を低減することができます。また配線を巻いたりねじったり、隣接するPCBプレーン上を通すなど、磁場キャンセルを利用した配置や配線でインダクタンスを低く抑えるのも有効です。
バッテリー寿命という観点では、DC-DCコンバータの損失は負荷による損失と比べれば極端に少ないため無視できると考えがちですが、負荷がスリープモードのときは無負荷損失として現れます。データシートを見ると分かりますが、トランスベースのDC-DCコンバータは、メインスイッチが変圧器を駆動している状態は多くの電力を使っており場合によっては全出力の0.5~1%もの電力を消費します。電圧安定化機能のあるコンバータの中には、無負荷でさらに多くの電力を消費し、最大負荷の数%の損失があるものもあります。
必要のないときは負荷とともにコンバータを止めることもできますが、それでも電力消費はかなりの大きさになります。
トランスベースのコンバータの数をできるだけ減らすのが効果的です。理想的には絶縁が必要なポイント毎に一つを設置し、後段に出力を安定化させるための降圧や昇降圧コンバータを接続することで、アイドル損失を相対的に軽減することができます。
パルススキップや、より高度な手法を使うことにより、降圧・昇降圧コンバータの静止電流はミルアンペア単位になります。
負荷の入力電圧範囲が電力源と同じかそれ以上に広い場合は、サイズ、効率、性能において電圧変換比固定コンバータが最適です。
770Vから48V・1.5kW に変換する電圧変換比固定コンバータ (図7) の電力損失は、電圧安定化タイプのフォワード型DC-DCコンバータと比べて1/2~1/3程度しかありません。電圧安定化タイプのこのコンバータでは、電圧安定化ステージとトランスの損失が生じるためです。多少不公平にはなりますが具体的な例を挙げると、今までこのシステムの給電に用いていたAC-DCコンバータは、車両のACジェネレータが入力であり、整流器と一般的なPFC昇圧ステージによる損失も余計に生じていました。次の例は、建物や大型機材、ロボット車両などにおいてDCグリッドを利用するメリットを示しています。後者の2つについては最近の技術の進歩により、同じ条件でそれぞれ94%、91% の高い効率を達成していますが、電圧変換比固定コンバータには電圧安定化機能が無いためそれに伴う損失がありません。
図7: (上から順に) K=1/16の電圧変換比固定コンバータ(ヒートシンク付き)、市販の電圧安定化タイプのDC-DCコンバータの並列接続(ヒートシンク付き)、発電機が入力になるAC-DCコンバータ(ファン冷却)
モータドライブにバッテリーから直接給電すると、バッテリーと配線のインピーダンスにより電圧降下が生じるため、電流が制限されます。電圧降下と電流制限の値は、配線の太さと電力源から負荷までの距離から求められます。
電圧変換比固定コンバータを用いることで、負荷から見た実質の電力源インピーダンスが低下するため、コンバータの出力電流ピーク、最終的には電力源の電流ピークが増大します。負荷の大きい変動が引き金となり、過電流や短絡故障に対する保護機能が作動することがあるため、設計するうえで検討が必要です。
例えば図8は、770Vの入力電圧と、4つの35A・K = 1/16 の電圧変換比固定コンバータ (図7に上げたもの) に供給する電流を示しています。図6を内部ブロック図とすると、ROUT = 3.5mΩ 、ZPDN = 10Ω (無視できる程度のバッテリーインピーダンスを含む) で48Vのモータドライブに電力供給ができることがわかります。
コンバータをモータドライブの近くに設置することで、10Ω の電力源インダクタンスが10/256となりわずか40mΩ程度、ROUT を含めても 43.5mΩ まで小さくなります。電流のピーク値は14.7Aですが、これは平均電流値に加えて、低インピーダンスのコンバータからパルス幅変調(PWM)に伴う電流が流れるからです。許容電流ピークは、この値から4~5A 高くする必要があります。
図8: (左) 6kW(ピーク時8kW)の変換比固定コンバータで給電して、48Vのモーターを加速させたときの加速ステップとPWWパルスを示したオシロスコープ画像。770の入力電圧 [赤] は 100V/div、電流 [黄] は 2A/div、20ms/div
(右)ピーク時の拡大(100µs/div)
図9 は、インピーダンス変換の働きを示しています。10µF、ESRが3mΩ の大容量コンデンサを出力に使う代わりに、10mF、ESRが 30mΩ の入力コンデンサが使われています。これにより、入力電源の配線のリップル電流が 11 AP-P から 1 AP-P に減り、ACインピーダンスも10Ω から1Ω 以下になるため、損失は大幅に低減しました。小型の出力LCフィルタを付けた状態で、ピーク電流は 9.75A まで減りました。この値はコンバータの連続電流の制限値 8.75A より大きいですが、短時間の電流制限値 14A より十分小さくなっています。
図9: コンバータ出力180APK (黄色) ・40 A/divと、入力電流 (青) 2A/div、(左)20ms/div (右) 0.1ms/div。入力側に配置したコンデンサでリップルが低減している。
電源の起動時において、モータドライブとコンピュータボードは大きな容量性負荷として働きます。コンピューターカードには、多くの降圧コンバータが搭載されることがあり、それぞれに大容量の入力コンデンサやLCフィルタが付きます。従って、これらに給電するDC-DCコンバータは、十分大きな容量負荷を駆動できるようにするか、後段にプリチャージ回路を授けて大きな容量性負荷に対応します。これは、電圧変換比固定コンバータでモータドライブに給電する場合によく使われる方法です。
この問題は、設計の後半になるまで見落とされがちです。レギュレータ、特に昇降圧レギュレータは、電流制御ループや時間を調整可能なソフトスタート機能を備えており、巨大な容量負荷に対応することが可能で、バッテリー充電用途に使われるものもあります。
加減速がある運転やブレーキをかける間は、モータドライブは発電機として機能します(8)。モータドライブから逆方向に1次側へ流れる回生電流により、接続されたハーネスを通して57Vのバッテリーを充電する例を考えると、電流の経路のインピーダンスに比例して電圧が上昇するので、60V以上になる場合があります。そのため電力を受けるDC-DCコンバータは、一般的な定格電圧60Vのものよりも高い電圧に対応している必要があります。
図6の回路図は、図8の例のようにモータドライブが双方向コンバータで駆動される電力供給ネットワークにも当てはまります。回生エネルギーがコンバータを流れるときに、ZOUT に比例した電圧が発生して、低電圧側と高電圧側の両方の端子電圧を上げることになります。コンバータが単一方向の場合は、回生エネルギーは遮断され、出力コンデンサ COUT のみが充電されます。このように、回生エネルギーによって電圧が上昇するため、最大定格電圧内に収めるために、回生エネルギーの量を制限すべきです。そうでなければ、エネルギーを吸収できるリミッター回路を実装する必要があります。
ロボットを高性能化し、移動距離を延ばし、生産性やフレキシビリティを向上させるためには、システムの電源ツリーを明確化し、異なるタイプのコンバータを組み合わせたり、複数の電力供給ネットワークの設計法を比較したりすることが大切です。高い電圧でプラットフォーム全体にわたり配電し、負荷点の近くで必要な電圧に変換する方法が優れています。
Vicorの高効率、高性能の電圧変換比固定コンバータモジュールと、降圧・昇降圧レギュレータモジュールを用いることで、負荷に最適な、高性能・高効率で軽量な給電ができます。これらの組み合わせにより、入力電圧範囲が比較的広く高効率の非絶縁型の電源出力段を標準化することができます。この出力段を、さらに高電圧のバッテリーを備えたアーキテクチャに、適切な変圧比の電圧変換比固定コンバータを介して、接続することができます。
アナ・ギアソン: Vicor Corporation (マサチューセッツ州・アンドーバー)のアプリケーション・エンジニア。アクティブPFC付きスイッチモードAC-DC電源を設計。2015年にウェントワース工科大学にて電気電子工学の学士号を獲得。現在、ウスター工科大学で電気電子工学の修士号取得中。
スタブロス(スティーブ)・ドコプロス:Vicor Corporation (バージニア州・リッチモンド)のフィールド・アプリケーション・エンジニア。1989年にアリストテレス大学(ギリシャ・テッサロニキ)にて電気電子工学の修士号を獲得し、その後パワーエレクトロニクス業界で活躍。
本ホワイトペーパーは、IEEE Power Electronics誌 2020年12月号などに「モバイルロボットの電力供給ネットワークを再考」として寄稿されました。
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