Kodiak Robotics ushers in a new era of autonomous long-haul transportation.
Vicorの電源を採用したコディアック・ロボティクス社、 商用トラック車両に自動運転技術を導入
自動運転で長距離輸送の新時代を開く
Vicor Corporation (本社:米国マサチューセッツ州、CEO:Patrizio Vinciarelli、NASDAQ上場:VICR、以下:Vicor)は、自動運転技術を開発するコディアック・ロボティクス社(本社:米国カリフォルニア州、以下:コディアック)が、Vicorの電源モジュールを採用したと発表しました。
商用のトラック輸送はアメリカ経済の重要な基盤です。新型コロナウィルス感染症の流行によって国内の物流が混乱したことで、ここ数年その重要性がかつてないほどに浮き彫りになりました。その一方で、トラックドライバーの確保は年々難しくなっています。アメリカのトラックドライバーの平均年齢は48歳で、長距離に限ると平均年齢はさらに高くなります。アメリカトラック協会の発表によれば、昨年はドライバーが8万人不足しました。
業界のアナリストの分析では、最初に自動運転技術が大規模に採用される可能性が高いのは、長距離輸送トラックだと言われています。高速道路は、入り組んだ脇道や市街地と比べて複雑ではないためです。
経済的な観点でも、トラック輸送の車両が自動運転になると、多くのメリットがあります。自動運転システムのコストは、100万~200万マイル走るようなトラックでは容易に元が取れます。人が運転する場合は労働時間の制約から、1日に7.5時間しか稼働できませんが、自動運転のトラックは稼働率を2倍や3倍に引き上げることができます。停車が必要なのは燃料補給や荷物の積み下ろしのときだけです。
コディアックは長距離トラックの自動運転を狙う
そのような背景のなか、2018年に創業したコディアック・ロボテックス社 は、運送会社が所有している車両に取り付ける、長距離運転向けの自動運転システムの開発に注力してきました。自動運転ソリューション「Kodiak Driver」には、SensorPods™というモジュール構成のハードウェアシステムが含まれており、周囲を「見る」ために使うセンサーのほとんどが、トラックの通常のミラーの位置の、このポッドに集約されています。ポッドはモジュール構成で取り付け・取り外しにわずか数分しか必要ないため、車両を最大限に稼働させることができます。機器を取り付けてセンサーネットワークを再調整するのに、特別な訓練は必要ありません。
コディアックは、データ量が多く更新が困難なHDマップではなく、自動運転に必要な情報を含む独自のSparse Mappingという手法を使います。この手法では、レーダーとカメラとライダーを使うセンサー統合システムKodiak Visionによってマップが補完され、あらゆる条件で道路を見ることができます。
「コディアックのチームは、自動運転車業界のなかでも最も経験豊富な人材で構成されています。おかげで創業時にありがちな試行錯誤を経ることなく、成功への最短距離を歩むことができました」と、同社の創業者兼CEOのドン・バーネット氏は述べています。
重要なセンサーの厳しい要件に対応するVicorの電源ソリューション
コディアックは直ちに、自動運転トラックの電源システム設計で、妥協が許されない3つの領域を特定しました。信頼性、効率、健全性のモニター機能です。
そして、Vicor (Vicor Corporationのカスタム設計子会社であるVicor Power Systems) との提携を決めました。高電力密度・高性能の電源システムを設計するためのVicorの電源モジュールは、自動運転システムに最適だからです。コディアックの電源システムには、Vicorの電源モジュールBCM6123、PRM、VTMが使われており、12V、24V、48Vの電源バスを作り、センサーに給電しています。すべての電源モジュールは、VicorのSM ChiP(Converter housed in package)であり、極めて小型で信頼性と効率の高い電源を構成できます。
Vicorの設計サポートを受けて、システム内のすべてのコンポーネントの電源を制御できるようになり、コディアックのすべてのセンサーの電圧と電流のモニターから、コンポーネントの健全度を最適な状態にできるようになりました。コディアックのプラットフォームには4つの基本の電源バスがあり、特定のセンサー、アクチュエータ、プロセッサに接続する必要があります。各々の電源出力は、独自のCANバスを介してモニターされ、個別に制御されます。
商用の輸送とトラック運転手の未来に大きな変化をもたらす
商用の輸送は軽視されがちですが、世界経済の安定のために欠かせません。今まさにコディアックは、自動運転によってトラック輸送の信頼性と効率を高めることで、業界に革命を起こそうとしています。
多くの業界アナリストは、商用の長距離トラック輸送が、高速道路で自動運転の技術を広く適用する最初の事例になると考えています。
ケーススタディ:コディアックの「高性能電源モジュールが動かす、自動運転長距離トラックの「目」を読む
Vicor Corporationについて
Vicorは、高性能のモジュール型電源コンポーネントの設計、製造、販売を行う米国(本社:マサチューセッツ州アンドーバー)の電源専業メーカーです。HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、オートモーティブ、通信ネットワーク、産業機器、ロボティクス、鉄道、航空防衛アプリケーションなどへ向けて、広く事業を展開しています。
日本法人のVicor株式会社(Vicor KK)は2017年に設立され、電源コンポーネントの販売・技術サポートを行っています。
詳しくは、Vicorウェブサイト: www.vicorpower.com/ja-jp をご参照ください。
Vicorは、Vicor Corporationの登録商標です。
コディアック・ロボティクス(Kodiak Robotics)について
コディアック社は、トラック運送業界の課題を解決することを目指し、自動運転業界のエキスパートによって設立されました。「Kodiak Driver」は、独自のレーダーとカメラとライダーを使うセンサー統合システムと軽量なマッピングソリューションを備えた、長距離トラックのための業界最先端の自動運転ソリューションです。
「Kodiak Driver」を高速道路走行の全工程で稼動させることで、安全に、効率よく、時間通りに貨物を届けることができます。死亡事故を無くし、輸送ネットワークの効率を上げ、コストと環境負荷を減らし、トラック運転手の生活の質を向上するために、自動運転技術が初めて大規模に適用されようとしています。