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HIRO pushes Europe to the edge with high-performance microdata centers
From supporting brain surgery to driving smart factories while saving power—HIRO is driving Europe to the edge with innovative computing concepts
ファクトライズド・パワー・
アーキテクチャ:
基板実装型電源の高電力密度化、
高効率化を実現
Whitepaper
by Tom Curatolo / Principal Applications Engineer
マザーボードの負荷が増えて電力が増大し、ますます高い電力密度が求められるようになり、電源システムのアーキテクチャは分散型DC-DCコンバータ(ブリック電源)からIBA(中間バスアーキテクチャ)へ移行しました。IBA では、48Vの入力をコンバータによって12Vに降圧し、12Vを複数のniPOL(非絶縁型の負荷点に配置するレギュレータ)によって負荷電圧要件に合うように降圧します。通信、コンピューティング、工業の分野で変化が起こるに従い、上り続ける性能の要求を受けて、電源システムアーキテクチャは新しい課題を解決するように適応してきました。
昨今の電力要件とPoL負荷の動作電圧の低下 (1V以下) は、IBA に対する新たな要求であり、システム性能にも影響します。最新の負荷 (CPU、GPU、AIプロセッサ) の多くで、必要とする電力が増え負荷変動が大きくなっているため、電圧レギュレータ (VR) を可能な限り負荷の電源入力ピンの近くに配置することが求められます。これにより、プリント基板またはPDN(電力供給ネットワーク)といわれる基板銅箔の電源プレーンで生じる電力損失を、大幅に削減できます。そして、多くの負荷に対して非常に速い電流の過渡応答 (di/dt) 性能が必要ですが、これにはマザーボードのインピーダンスが影響します。
しかし、大電力の負荷の近くに大電流の電圧レギュレータを配置する場合、大電力のために多くのVR(niPOL)が必要になる点はIBAの欠点です。その場合、広いスペースが必要になり負荷との距離(インピーダンス)が増え、損失が増えるため全体の効率が悪くなり、過渡応答の性能が低下します。しかも、12Vから1V以下という比率で電圧変換することは、デューティサイクルの制約から、マルチフェーズ降圧型niPOL電源では大きな問題になります。
最新の電源システム設計で話題になる課題:
この、ポイント・オブ・ロード(PoL) の大電流・高密度という問題を解決するには、別の方法が必要です。ファクトライズド・パワー・アーキテクチャ(FPA™) がその解決策です。
分散型電源アーキテクチャとIBAはどちらも、ポイント・オブ・ロードの電圧まで下げる、電力変換ステージとレギュレーションステージで構成されています。IBAの場合、レギュレーションと電力変換のステージ(降圧レギュレータであるniPOL電源)が、電力変換ステージIBC(中間バスコンバータ)の後に配置されます。これらのアーキテクチャを機能分解すると次のようになります。:
レギュレータは VIN = VOUT のときに最も効率が高くなり、入出力比が大きくなるにつれて効率が低下します。入力電圧が36V~60Vの間で変化する場合、最適な出力バス電圧は48Vであり、IBAで一般的に使われる従来の12Vバスは最適ではありません。48V出力バスでは12Vバスに比べて電流が4分の1(P=V•I)となり、PDNの損失は電流の2乗(P=I²R)に比例することから、損失は16分の1に減少します。そのため、まずレギュレータを配置して48Vに出力電圧を調整することで、最も効率を良くすることができます。この例のように、このレギュレータには48Vより低い電圧を入力する必要があるため、昇降圧のレギュレーションステージが必要です。入力電圧のレギュレーションが完了したら、次は48Vを1Vに変換します。
1Vの負荷の場合、最適な電圧変換比は48:1 です。この場合、レギュレータによって入力を降圧または昇圧して48Vにして、電圧変換する変圧器(トランス)で48Vから1Vに降圧します。降圧する変圧器(トランス)を使うと電流は同じ変換比で増えるので、このトランスをカレントマルチプライヤということもできます。この場合、1Aの入力電流に対して、変換比が掛けられて48Aが出力されます。大電流出力部分のPDNの損失を最小限に抑えるために、カレントマルチプライヤはできるだけ負荷の近くに配置する必要があり、そのためはできるだけ小型であることが必要です。
PRM™ レギュレータとVTM™ カレントマルチプライヤを組み合わせてできるのが Vicorのファクトライズド・パワー・アーキテクチャです。これらの2つのデバイスはそれぞれの機能に特化して高効率で動作し、完全なDC-DC変換の機能を実現するために、連携してはたらきます。
PRMによって、電圧安定化されていない入力電源が安定化され、この出力「ファクトライズド・バス」が供給されます。VTMはこのバスから給電され、VTMによってファクトライズド・バス電圧が、負荷に必要な電圧へ変換されます。
FPAでは、IBAと異なり、中間バス電圧からポイント・オブ・ロードに降圧するときに、直列のインダクタを使いません。FPAでは中間バス電圧を平均化する代わりに、高電圧のレギュレーション機能と電流利得が1:48かそれ以上のカレントマルチプライヤモジュール(VTM)を用いており、高効率、小型、高速応答、1000A以上に対応するスケーラビリティが実現します。
PRMとVTMは、FPAに欠かせないコンポーネントです。PRMは、特許を取得しているゼロ電圧スイッチング(ZVS)昇降圧レギュレータの制御アーキテクチャを用いて、高効率の昇降圧レギュレーション機能とソフトスタートを実現します。効率はVIN = VOUTのときに最大となり、最新のPRMではピーク効率が99.3%に達します。
VTMカレントマルチプライヤは、独自のゼロ電流スイッチング/ゼロ電圧スイッチング(ZCS/ZVS)のサインアンプリチュードコンバータ(SAC™)を用いた高効率の電圧変換モジュールです。歪が少なくコモンモードに対する対称性が良い純粋な正弦波で動作します。このことは一般的なパルス幅変調(PWM)タイプのコンバータから生じる高調波成分がないことを意味し、ノイズをほとんど発生しません。制御アーキテクチャにより、動作周波数がパワートレインの共振周波数にロックされるように動作することで、最大97%の高効率が可能で、リアクタンス成分を効果的に打ち消すことで出力インピーダンスを最小限に抑えています。このように出力インピーダンスが極めて低くインダクタ成分が無いため、負荷電流のステップ変化に対してほぼ瞬時に応答することができます。
VTMは、実効スイッチング周波数が3.5MHzであり、負荷変動に対する応答時間は変化の大きさにかかわらず1μs以内です。VTMは帯域幅が広いため、負荷点に大きな容量は必用ありません。外付けのコンデンサがない場合でも、急なサージ電圧に対するVTMの出力の電圧変動は小さくなります。最小限の外付けバイパスコンデンサ(低ESR/ESLのセラミックコンデンサによる)で、過渡のオーバーシュート電圧を十分抑えることができます。
レーダーや ATEテストヘッドなど要求の厳しいアプリケーションでは高速の負荷応答が求められることが多いですが、電圧変換比固定のコンバータ方式であるSAC™トポロジを使うと、レギュレーションのためにはたらく内部制御ループが無いため、帯域幅の制限を受けないという利点があります。次のように、VTM™を用いるパワートレインには、コンデンサの容量が電圧変換比で変換されるという特徴があります。
例えば、電圧変換比Kが1/48のVTMを使用した場合、実効的な出力容量は入力容量の2300倍(=48²)となります。つまり、VTMの下流に追加するコンデンサ容量を大幅に小さくできます。
コンデンサに蓄えられるエネルギー(E)は:
したがって、VTMの48V入力部にわずかなコンデンサ容量を付けるだけで、IBAでよく使われるマルチフェーズBuckコンバータ(一般的にはniPOL)で1Vの出力に付けるような、大容量のコンデンサと同じ効果が得られます。
ファクトライズド・パワー・アーキテクチャ(Factorized Power Architecture™)によって、急速に進歩するCPU、GPU、ASICの技術に対応するための、電源システムの高電力密度化と大電流供給が実現できます。ここで使う電源コンポーネントでシステムを設計する際の主な利点は以下のとおりです。
PRM と VTM の組み合わせからなる電源システム全体の効率は、定電圧に調整されていないDC電源から低電圧DC出力を供給する場合、通常90~95%になります。効率が高ければ総放熱量が減るため、これも電源システム設計の重要な検討項目です。
負荷電流が増加し続けるなか、ポイント・オブ・ロードまでのPDNの供給電流を最大限に増やし、部品の実装密度を減らすため、VicorはFPAを進化させ続けています。現在、MCD(モジュラーカレントドライバ)とMCM(モジュラーカレントマルチプライヤ)からなるソリューションである、ファクトライズド・パワー・オン・パッケージ(Power-on-Package) を提供しています。この方式では、従来のVTMの変換ステージの二次側のみが、ポイント・オブ・ロードに配置されます。レギュレーションステージとVTMの一次側ステージをまとめて1つのパッケージとしたものがMCDです。MCMは大電流のプロセッサと同じパッケージ/サブストレートに実装することができます。MCDは、PRMと同様に、カレントマルチプライヤから離れた場所に実装することができ、基板の実装密度がそれほど厳しくない領域を使うことができます。
CPU、GPU、ASIC、メモリに給電するポイント・オブ・ロードのコンバータへ、直接48Vを給電するファクトライズド・パワー・アーキテクチャ。これを活用するアプリケーションはますます増えています。人工知能(AI)コンピューティングやレーダー、自動車用ADAS(Autonomous Driving and Safety)アプリケーションでは、従来の電力変換の方法では対応できないほどの、高い電力密度、高効率、低ノイズ性能が求められるため、この性能向上は大きなメリットです。
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